パネディス:まつもとゆきひろ氏

発表資料 http://www.rubyist.net/~matz/slides/patent0311/
 -まつもとって誰?
 Rubyの作者
 フリーソフトウェアが好きなんだけど、最近のトレンドはオープンソフト

 -オープンソースとは
  実はちゃんとした定義があり、いろいろと厳しい
  (http://www.opensource.org/osd.html かな?)
  (MSはこの厳しい面をついてオープンソースは癌だと攻撃している。
    それはある側面では正しいと思うが、、、)
  ・再配布自由
  ・ソースコードの公開
  ・派生物の許容
  ・差別の禁止 などなど

 -ただ「ソース」を「オープン」するだけではいけないのか?
  駄目です。
  すでにオープンソースは定義されている。その定義に従って担保しませう。
  主眼は単にソースを公開する目的でない

 -オープンソースの主眼
 ・バザールモデル
  オープンソースを満たすソフトウェアの新しい開発体制
 ・(及び)それを用いたビジネスモデル

   バザールモデルとは
    バザーのように「自由で自発的」「ゆるやかに組織化される」
    対立概念:伽藍モデル<一人のひとがすべてを管理してものを作るモデル
 -なんでバザールモデルが成立するの?
  ・経験(だれでも参加することができる?)
  ・目玉が多いからバグも減るだろう
  ・やる気が生かせれる
  ・人材が豊富(優れたものには人がたくさん集まる)
  ・模索による優れた仕様

   -利点
    ・低コスト
    ・才能の発掘
    ・進歩が早い
    ・やる気で参加することが可能である

 -オープンソースを受けソフトウェア産業はサービスよりに変化している

 -フリーソフトVSオープンソフトウェア
  フリーソフトの強調点
   自由 ソフトウェアの自由 実行、閲覧、変更、再配布の自由 すべてのソフトウェアを自由にするのが目的

 -オープンソース界は特許をどう考えているのか?
  特許についてわかっていない。わからないからこそ恐いと思っている

  -著作権特許権の違いについて
   -著作権
    ・表現の保護
    ・盗まなければ侵害にならない
   -特許
   ・アイデアの保護
   ・偶然の一致侵害になる
 特許は何もソフトウェア特許に限らないです。
 (※ソフトウェアも技術という面から同じ土俵に立つべきかな?)

 -特許権の侵害
  オープンソースは個人活動なので「業」としてお金をもうけてない
  特許権者としては権利侵害である。
  この矛盾が問題(問題その2(※その1はインターネット自身の特性かな))

  -個人が全世界に情報発信できるインターネット時代の現象
   一人が作ったものが全世界にくばるコストがほぼ無料。かつ、だれでも一瞬で配布することができる。

  -問題となるケース
   製作者には他人の財産を盗むつもりはないのに偶然同じアイデアを実現してしまった
   製作者の疑念として
    ・本当は新規性ないのであ?
    ・あまりにも漠然とした特許なんじゃ?
   という考えが浮かぶ

   分野全体が特許で保護されてしまう問題
    ・MPEGとか、、、
    ・分野全体をロックするのは産業の振興にならないから開放しろ!と思う。

 -本音
  エゴ:ソフトウェア特許はないほうが楽
  ソフトウェアは無数のアイデアの集合体
   ・ほかひとのの侵害なんてわかんない
   ・誰でも思いつくようなアイデアが特許成立している現実
  産業の振興に利しているように思えない
  知的財産を別のやり方で保護できないのか?

 -特許への要望:
  −真の発明だけが特許となるように
  −公知化手段の緩和してほしいなぁ、、
   ・Webによる公知の条件の明確化・緩和とかしてくれよぉ
    (※デジタルタイムスタンプをWebに欲しい)
   ・配布されたソフトウエアによる公知化

  -インターフェース、プロトコル、ファイルフォーマットなど、
   技術の囲い込みになるような特許は禁止して欲しい
   (EUでは特許制度改悪に含まれるらしい)
   (UIがばらばらになると弊害のほうが多い。
    ※医療機器のUIが統一されてないとか、特許が原因なのかな)

  -オープンソースが侵害場合の対処方法の明確化
   ・研究・思索的側面がある以上、あまりに厳しいのはどうか?
     <判例がないと困るなぁぁ、、
    (研究目的なら特許範囲を具現化してもよい。ほかの人曰)

  -インターネットで配布されるソフトウェアにおける属地主義
   明確化してほしい、、、
   アメリカの特許をまつもとさんが侵害してたらどうなるのか?

 -われわれのできること
  ・「危ない特許のリスト」
  ・公知化でーたべーす
  ・オープンソースの啓蒙
 目標
  オープンソースを特許で攻撃されないようにしたい

-QA ディスカッション
Q
  課題:
   デザイン関係の知財著作権や特許で扱えるのか悩んでいる。
   産業振興の方向で、保護しなければならない。
   囲い込みにならない方向で保護したい。

Q 末松氏
   今まで、机上の空論ではソースコードから離れるという話があった
   >OSSはソース原理にみえる
   オープンソース開発において、最適な効率を求めるために方法の変化などがあるか?
   (ex: インターフェースの統一、オブジェクト化など)

A
   オープンソース全体では効率を上げるための試行錯誤が存在しない。
   企業の持つリソースは限界があるので最大限効率的に使わなければならないが、
   オープンソースは開発が持続できるだけのリソースがキープできればいい。
   いい物はリソースを無尽蔵にでも集めることができる。

   オープンソースといっても色々あるので、
   個別のプロジェクトを見た場合、企業がリソースを投入しているために、
   開発効率を求めることはあってもおかしくないね。

   今後、社会的ムーブメントによって別の特徴をもったオープンソースができるのでは?(末松氏)

   それはオープンソースに似たオープンソースとは違うものではないかな?
   混沌としたものをまとめる・ほっとく はコミュニティの性格であり、
   混沌はオープンソースの必要条件ではない。混沌も許容して開発できれば行う。
   バザー状態、混沌状態ってのが多い。ある程度ポリシー、規約をきめているところもある。

意見 Office氏
   研究者が新しいものを作るという意識があるなら、
   古いものを調べるというのは当然であり、特許にひっかかるなんてありえない
   本当に研究する人ならあらゆる手で調べるべきである。

意見 末松氏
   インターフェースを完全に決めて、そこで特許の切り分けができるのではないのかな?
   特許部分とオープンソース部分の切り分けができるんじゃない?
   (※オープンソース開発するひとはそこまで考えないねぇ、、
     企業がオープンソースを利用する際の考え方ですね)

Q
   フリーは無料の意味でないが、お金の話を持ち出してはいけないのか?
   お金を払ったら使える自由はどうなんだろぅ?
   再配布の自由をお金で獲得してもよいのでは?
    ⇒権利者がいいひとだったら可能かもねぇ、、
     わからないから、最悪の事態を想定してオープンソース開発者が不安に思っている

Q
    特許が特許というのは理念の中で新しいものを作成した人は発明やアイディアを
    追試したり実行してもらい、そして実行、配布とか許される配布ではないのか?
    (実行権とソースは別の権利?MP3のエンコーダのバイナリ配布は駄目だけど
     ソース配布は個人が研究するという名目で許されている、、、って話)

Q
ライセンスはコンパチビリティにならないか?(末松氏)
  ライセンスを大きく分けると
   1.GNUGPL
   2.BSD
   3.Apache
   4.Windows、、、

  ほっとくと追加ライセンスができてしまうのでOSDでは追加ライセンスを禁止
  コンパチなのか?という問題に対して
   ライセンスに対する保障
   ライセンスの内容が多岐にわたらないように努力している

  現在のオープン系ライセンス数は21
   21は多すぎる(末松氏)
   プロソフトはばらばら。21は少ないのでは?(ほかの方々)
    ・21といってもグルーピング可能である。
    ・21ライセンスに対してコンフリクトをするものを考えるだけですむ
   
   今後のライセンスを決める場合は狭い範囲から選択するように啓蒙したほうが良い

課題 オープンソースと特許は相容れない
  現在の特許やオープンソースとは別の何か相性のいい仕組みを策定しなければいけない
  (ただし、別の名称とかにしないと紛らわしいね
  特許とオープンソースをひっくり返すムーブメントが必要では、、、
  そのための新しいライセンス形態が必要なのではないかな??

  特許を利用する場合 GPLLGPL>特殊ライセンス と被せればよい(誰の言葉かな?)
   厳密にいうとそのようなライセンス形態が許されるか裁判してみないとわからない

話題 GPLが危険という情報が伝わってない。
   ビジネスとは一番整合しないライセンスがGPLなんだけど、
   ムーブメントの一環としてライセンスにGPLが採択されていないか?

   自分の作ったオープンソフトウェアを他人に勝手に利用されたくないという場合
   GPLにすると相手が改良したものでも使うことはできる。
   自分の技術を他人の利益にするくらいなら、世の中を利するためにGPLにしてしまう。

  相反する考え?
   役立つ製品にたいして正当に対価をください。(金銭欲)


話題 特許は使い方とバランス
   特許も囲い込みがすべてかというとすべてでなく、カードとして持っておく。
   そのカードを攻撃につかうも防御に使うも自由

話題 アンチMS
   しばらくはアンチMSの考えがあり、それが求心力となってオープンソースが推進されている
   これからはオープンソースが新しいものを開発し、それを特許で守って、
   オープンソースが発展して欲しいなぁと、、、

   オープンソフトはプロソフトをまねしている部分がおおきいわけで、、、
   それなら作ったものに特許に抵触される部分がでてくるのは当然であり、
   プロソフトで使われている技術は法律で守られるべきものではないのだろか?
   (※みんなが必要だからプロソフトとして作られているものと
     アイデアを具現化する目的で作られたプロソフトがある気がする。
     後者がオープンソースとして開発された場合ははじめにアイデアを考えた人の権利はどうなるのだろう)

話題 法律
  感情でだめ⇒法律で正しい
   ルールの上で戦っている。
   ルールを外れて戦うと自分の足元がすくわれてしまう。

話題 パテントプール
   日本で特許をパテントプールする場合、
   公取の検証してもらってやるので独占禁止法にひっかかるような問題はないです。
  (※ 趣旨を理解できなかったので、メモそのままです)
抱き合わせ販売と特許をまとめて売るってのは、?
パテントプール 同じことをする特許は同じパテントには入らないこと!
というものがあって、特許をまとめて売ることが抱合せ販売にならない。
したがって、特許を持っていても、同じことができる特許A,Bに対して
AとBに付加価値をつけてうることができる。抱き合わせ販売にならにようにすうr。
プールにすることで個別ライセンスを取るのが大変、高いのでまとめて利用できるようにパテントプールにしている。わるい面ばかりではない。独占禁止法との兼ね合い。バランスが必要となる。
日本ではパテントプールをする場合、公取の検証してもらってやるのでそのような問題はないです。