ELN勉強会9月

お題 「ゲーム開発と知財ビジネス」
コーエー 代表取締役社長 小松 様
・導入

 コーエーにおけるゲーム開発の一般的な流れ の説明
  モーションキャプチャー・脚本・声優・キャラデザなどの説明など
  >あまりゲームをやらない人が対象なのでわかりやすく説明してました

色々な問題について
 中古問題について
  何人月も投入したゲームの資金回収を妨げられている

やっぱり、中古問題がでてきたよ。
魅力ある産業じゃないと若者がこない>将来すたれる って論調でした。
後、海外を脅威に感じているってのがひしひしと感じたんだけど、
PSとかFCは開発キットが国内に優先的に提供されていたから
アドバンテージを享受できたとかいってました・・・
将来、ハードも海外製になるとそれが無くなるとか心配してた。
・・・ へちょ


・松田先生のお話

事例紹介
 ときメモ判例
 開発者は予定された範囲内で動くことを意図
  ←範囲が変更されたことにより同一性保持権の侵害
 論点:同一性保持権で差し止めをするのは法の目的に合っているのか?

以下、レジュメに従って解説
権利とゲーム製作の関係について

1.ゲーム手順の特許権による保護 (アルゴリズムの保護)
 入力系と出力系を手順の中で特定していけば特許権で保護される
 論点:ゲームが新しくても技術として新しいか?
   ←ビジネスモデルやアルゴリズムも手順が新しければ発明
  # ビジネスモデルって基本的に無かったことにされていたような・・・
 仕様の詳細化>【ゲームの手順の洗い出し】>プログラム
  【手順を洗い出し】できれば、特許として申請できる(かも)
 コーエーの例:
  1.3D で馬とか武将を1000人群れとして扱うアルゴリズム
  2.部隊と部隊がぶつかって戦闘を行う際に広いフィールドの中で
    敵味方を区別して索敵・個別戦闘をコントロールするアルゴリズム

2.ゲーム手順をコード化したプログラムの著作権による保護
 法律で保護されている(昔は不競とかコードを文字の著作物としていた)

3.ゲーム出力に関する映画の著作権による保護
 上映権・頒布権などが論点になる
金井:頒布権は映画の保護を目的にしたからゲームの保護は目的外
 # デッドコピーやコピーロムに対して差し止めするために使われた法律構成
 # 映画であると認定したのでなく、これしか保護する手段が無かった

4.キャラクターを著作物として絵画の著作権による保護
 新しい論点<キャラクターに映画・プログラムの著作権以外の保護をうけれるのか?
  アニメの原作の著作権について争われた事例がある
  ※同時並行的に作った場合は原作の著作権は吸収されてしまうのか?

5.ゲーム名称の保護のあり方 商標・不競
  その名称を有名にした場合には商標では無理だが、不競では保護できる(?)
  例:ファミリーコンピューターが通常名詞(パソコン)として商標登録できなかった

6.ゲームの改変に対する保護のあり方
 私的利用に対して同一性保持権を使って差し止めすることが許されるのか?
 (金井弁護士論)

  改変されて迷惑が掛かるのか?
   <ゲームは売っておしまいでなく、サポートも必要
   想定していないことが怒って、それに対するサポートを要求されるとか
   ほかのユーザーに迷惑がかかるとか、PCが壊れるとか色々な問題がおこる可能性がある

  開発者は動いたらOKだろうって考えがある
   ユーザーが様様な入力をする。100人が1ヶ月ででなかったからいいだろう とする。

  改変ツールの提供はただ乗り <ビジネスにしなかったらいいのか?
                <ライセンスを取れればいいのか?
  市場の問題であり、私的利用である。<しかし同一性保持権を使って差し止め

7.ゲームの2次的使用ビジネス
  ゲームから映画、小説、漫画 など
  (マルチメディア展開 や 人気のある原作を漫画にするってのもある)
8.ゲーム製作資金ファンド
 コーエーはお金もあるし、利益率が高いからお金いらない ってさ
  仕様書がなしで作る場合、外部から資金を受け取ってリスク分散
    ←投資家にとってリスク高い(単なる博打になる)
 ・ベンチャーに資金を調達さるには?
  製作委員会方式
   民法上の組合契約を結んで、みんなでお金を出し合う契約をつくる
  (×一社がつぶれてしまった場合>共同著作物なので法律関係が複雑)

  製作会社方式
   誰でも信託業務が出来るようになれば、製作会社方式を取ることが出来る
    >今期(?)国会で信託法改正予定

9.立法による保護強化の要求等
  韓国は兵役免除
  中国では海外からゲームを輸入販売する場合は10タイトルまで
   ←自国で生産しなければいけない
  アメリカは国策としてハリウッドを通してアメリカ文化を広げていった。
  アメリカでは法律論でなく自国の発展を考えて結論を出しているのに対して、
  日本では法律論で結論が出している。国家のメリット、国民のメリットを考えて
  法律を考えていったほうがよいのではないか?(手前勝手だけど)
  
  日本はゲームマーケットの25%しかない、アメリカ1位ヨーロッパ2位
  将来的に有利なのは中国 この中で闘っていくには法律的に保護がいるのではないか?
  いまの市場は30%が中古市場 韓国と中国の基本はオンラインゲーム
                         <海賊版に対して強いから

  アメリカやヨーロッパは中古が大きな問題になっていない<原因?
  新しくおきている産業がかなりの速さで市場が変更されている。
  次の市場を確保するためには国の基本戦略になるようになっている。
  国家戦略としてゲームソフトを含めたコンテンツをどう扱うのか?
  バイドール条項などもコンテンツに及ぼしていくとか、民間で活用させれる条項が増えた<??
  じゃぁ、国は何ができるのか?<システム作りしかないのでは?
  すぐ、補助金をくれという人がいるが良くないこと。
  制度をきっちり整えて、邪魔なく規制なくやりやすい制度をつくること
  中古市場のコントロールにどうして業界がはいらないのか?とか
  国家もやるけど業界もやる、その戦略を練っていくべきではないのか?